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ほっと一息 人生コラム
vol.35 谷崎潤一郎「刺青」を読んで 惚れ惚れするような文章が、奇妙な内容をさらに際立てていた。 谷崎潤一郎をそんなに読んではいないけれど、どれも浮かんでくる映像は、どこか妖艶で耽美的な、それでいて狂気じみている。この作品にも、肉体を傷つける残忍さと自虐的な快楽...
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4月3日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.34 向田邦子「思い出トランプ」を読んで ポンポンと歯切れのいい言葉が映像になる。感覚の表現や感情の言葉にも共感する。懐かしい風景にうなずく。昭和のブラウン管が浮かぶ。オノマトペが軽妙で、音までが聞こえてきそう。100年前のまどろっこしい文章ばかりを読んでいたので、...
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4月3日読了時間: 2分
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ほっと一息 人生コラム
vol.33 サン=テグジュペリ「夜間飛行」を読んで(二木麻里訳) この犠牲はきっと未来に役立つ。 いま生まれた赤ちゃんがいる。いま死んでいくおじいちゃんもいる。おじいちゃんが頑張ってきたことはきっと誰かの役に立つ。いま生まれた赤ちゃんの役に立つ。ずっと前から社会はそう...
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2月13日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.32 大江健三郎「奇妙な仕事」を読んで 大学病院に実験用として飼われている犬150匹を撲殺するアルバイトの話。 この小説は、ノーベル文学賞作家大江健三郎が初めて世に出した作品で、1957年5月東京大学新聞に掲載されたとのことだった。 ...
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2月13日読了時間: 2分
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ほっと一息 人生コラム
vol.31 チェーホフ「かもめ」を読んで(神西清訳) 本文ずっと若いころ、何度かアングラ風の演劇を見たことがある。小劇場から伝わる印象はどれも暗かった。人間の心の奥にある葛藤を誇張的に独白したものや、理不尽な社会を描きながら誰かに共感を求めるように手を広げ、薄暗い舞台に...
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2024年11月26日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.30 森鷗外「青年」を」読んで 二十歳の頃の自分を思い出す。 人間関係の不器用さから、女性にどう見られるかばかりを気にしていた。大きな主語で語ることで、正直な自分の気持ちを隠していた。思い通りにならない自分が悔しくて、情けなく歩いていた。 ...
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2024年11月26日読了時間: 2分
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ほっと一息 人生コラム
vol.29 太宰治「トカトントン」を読んで 幻聴の「トカトントン」。どこからともなく聞こえてくる「トカトントン」という金槌かなづちの音。発狂ギリギリまで追い詰められた26歳の復員青年の耳に響く「トカトントン」。創作とか仕事とか恋愛とか、何かやる気が起きると必ず「トカトント...
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2024年10月9日読了時間: 2分
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ほっと一息 人生コラム
vol.28 川端康成「千羽鶴」を読んで 名作と名高いこの小説、伝統的な陶器の美しさを絡めながら、愛と罪と死が漂う作品だった。これぞ川端作品だと感じながら、繊細で美しい文章と描かれた世界を楽しんだ。 <内容>主人公、三谷菊治は25歳ぐらいの独身の会社員。父と母を相次いで...
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2024年8月29日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.27 西村賢太「苦役列車」を読んで vol.27 西村賢太「苦役列車」を読んで 西村賢太が中学卒業後の日々の暮らしをもとに書いた小説。大半が事実だという。2011年の芥川賞受賞作。 <内容>主人公は北町貫多、19歳。中学卒業後、日雇の港湾人足仕事につく。友...
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2024年8月15日読了時間: 3分
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加藤政実のNEWSコラム(2024年7月)
「「J・ロバート・オッペンハイマー」その光と影」 どうしても映画館で見たい映画があった。「オッペンハイマー」クリストファー・ノーマンの劇場長編作品の12本目。いつも通り本人が脚本を書き制作監督を行う。本年度アカデミー賞最多7部門受賞作品である。ほぼ10年ぶり、シネコンでラス...
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2024年7月9日読了時間: 5分
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ほっと一息 人生コラム
vol.26 織田作之助「夫婦善哉」を読んで 大正から昭和初期の大阪を舞台とした、意志の弱い男柳吉としっかり者の女蝶子の物語。「みんな貧しくて、泣いて笑ってけんかして、人と人とが近すぎるほと近い時代」(1955年豊田四郎監督DVDより)...
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2024年7月9日読了時間: 2分
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ほっと一息 人生コラム
vol.24 シェイクスピア「リア王」を読んで 「俺はなんて愚かなんだ。あの時、あいつ(ケント伯爵)の話を聞いていればよかった。取り返しのつかないことになってしまった。今思えば、娘たちは私を愛していなかったのだ。それどころか私から全てを奪うことしか、考えていなかったのだ。」...
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2024年5月31日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.24 宇野千代「おはん」を読んで 二人の女の間で揺れる大変身勝手な男心を描いた物語。人情味あふれる上方言葉の文章を楽しみながらも、古い時代の女の献身的な愛に戸惑いながら読む。 <内容>主な登場人物は3人。語り手の懺悔(ざんげ)のように自身の行いを情けなく語る男「私」...
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2024年5月1日読了時間: 2分
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加藤政実のNEWSコラム(2024年5月)
「アートとの出会いから 新しい人生を歩み始めて欲しい!」 秋田市の棟方志功記念館が今年3月31日で閉館した。自らゴッホになると宣言して独自の木版画を切り開いた世界的版画家棟方志功。1975年開館の同館は、版画や油絵2000点あまりが収蔵されていた。残念であるがしかたないが、...
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2024年5月1日読了時間: 5分
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ほっと一息 人生コラム
vol.23 又吉直樹「月と散文」を読んで ネットで見る又吉直樹の空気感に心地よさを感じている。芥川や太宰が大好きだと公言している著者と、近代文学ばかり読んでいる僕とは、勝手ながらおもしろいなぁと思う感覚が似ているのかもしれない。彼の視点は気付かされる部分も多い。「東京百景...
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2024年3月29日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.22 幸田文「台所のおと」を読んで とても静かな小説。しみじみとした文章。モノクロ写真の奥にある物語を見せられている感覚。人にはそれぞれの音がある。人の物音から見えてくる気質や感情の移り変わりが繊細に描かれた作品だった。 <内容>...
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2024年3月12日読了時間: 2分
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ほっと一息 人生コラム
vol.21 庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」を読んで 紛争に翻弄される日比谷高校3年生「薫」くんの物語。東大に進学するつもりだった彼の、ついてない1日(1969年2月9日日曜日)をしゃべり言葉で語る構成。第61回芥川賞受賞作。...
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2024年3月12日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.20 有島武郎「一房の葡萄」を読んで 有島武郎が亡くなって100年経った。今でも時々教員の教材として扱われているとのこと。 <概要>「小さい時」の「ぼく」を、大人になった後の「ぼく」が語る話しとして描かれている。「ぼく」はある時学校で、同級生のジムの絵の具を盗む。そ...
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2024年1月18日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
vol.19 シェークスピア「ハムレット」を読んで(福田恆存訳) 「ハムレット」を楽しむ。 420年以上前に描かれ、世界中で上演されていたシェイクスピアの全5幕からなる戯曲。1600年ごろ。舞台はデンマークの城。死んだ父の亡霊から復讐を命ぜられる。理性と感情のはざまで悩むデ...
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2023年11月30日読了時間: 3分
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ほっと一息 人生コラム
Vol.18 志賀直哉 「雨蛙」を読んで vol.18 志賀直哉「雨蛙」を読んで ときどき、志賀直哉の美しく繊細な情景描写に触れたくなる。うっとりするような一文を書き留める。 『実際気持ちのいい朝だった。道には小砂利が洗い出され、木や草には水玉がキラキラ光っていた。・・・遠...
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2023年10月21日読了時間: 2分
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